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30by30と自然共生サイト。610か所、OECM64.6千ha

自然共生サイトは610か所、OECM登録面積は64.6千ha。地域生物多様性増進法と、TNFD開示につながる支援証明書までを整理します。

Aerial view of a river braided through mangrove forest, pale turquoise water against dense green canopy

環境省は2026年6月末までに610か所を自然共生サイトとして認定しました。認定区域のうち保護地域と重ならない部分は国際データベースにOECMとして登録され、その累計面積は64.6千haになっています(環境省 2026年8月3日)。

同じ発表によれば、日本の保護地域とOECMを合わせた割合は陸域で21.0%、海域で13.3%です。陸域21.0%のうち、OECMが占めるのは0.2%にとどまります。

OECMを保護地域と分けて読む

30by30の目標値まで、陸域では9ポイント近くあります。現在OECMが占めるのは0.2ポイントです。

国の集計では、保護地域とOECMを別の区分として数えます。OECMは保護地域の外にありながら、生物多様性の長期的な保全に資する区域です。環境省は対象例として、里地里山、企業の保有する山林、社寺林、都市緑地を挙げています。

集計の場所も押さえておく必要があります。登録先は世界保護地域データベース(WDPA)と世界OECMデータベース(WD-OECM)で、国連環境計画と国際自然保護連合の共同プロジェクトとしてUNEP-WCMCが管理しています。世界の30by30の達成状況はこのデータベースに基づいて評価される予定です(環境省)。国内で認定されていても登録されていない区域は、国際的な数字には出てきません。

制度が法律になりました

自然共生サイトの認定は令和5年度に行政の取組として始まりました。2024年に「地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律」(令和6年法律第18号、通称・地域生物多様性増進法)が成立し、2025年4月1日に施行されています。環境省、農林水産省、国土交通省が共同で所管します(環境省 2025年4月1日)。

土地の所有者や活動の実施者が増進活動実施計画を申請し、主務大臣が認定すると、その区域が自然共生サイトになります。法律は、市町村と活動実施者、土地所有者が結ぶ生物多様性維持協定も定めています。

計画には二つの形があります。活動実施者が申請する増進活動実施計画と、市町村と活動実施者が連携して申請する連携増進活動実施計画です。生物多様性を守り、失われた環境を回復する活動などが対象です。

制度は三省の共同所管です。申請は環境再生保全機構が受け付け、主務大臣が計画を認定します。

認定の規模も小さくありません。令和7年度第3回では108か所(環境省 2026年3月17日)、令和8年度第1回では56か所が認定されています(環境再生保全機構 2026年6月30日)。

申請主体の約半分は企業です

環境省の制度説明資料は、申請主体について企業が約半数で、地方公共団体やNPO等も参画していると書いています(環境省 2026年4月・PDF)。

同じ資料は対象となる土地の種類も挙げています。里地里山、企業の保有する山林、社寺林、都市緑地。事例には日本製紙の鳳凰社有林(山梨県)や三井住友海上駿河台緑地(東京都)が並びます。

企業の保有する山林と都市緑地も、認定対象として示されています。

支援証明書が開示につながります

土地を持たない企業にとっては、もう一つの仕組みのほうが実務的です。

自然共生サイトの質の維持・向上に資する支援を行った企業等は、条件を満たせば環境省に支援証明書の発行を申請できます。環境省はこの制度をTNFD等の情報開示への活用を念頭に設計し、令和7年度から本格運用を開始したと明記しています(環境省 2026年4月・PDF)。

自社の土地はサイト認定、別のサイトへの支援は支援証明書の対象になります。

認定や証明書には、報告する会社とは別の主体が確認した事実が残ります。アジアで自然関連開示がどれだけ速く立ち上がったかはTNFDについての記事に書きました。

主務大臣の認定は、公表された基準を満たす区域を示す文書であり、監査意見ではありません。

企業が確認すべきこと

社有林や工場緑地を持つ会社は、公開された認定基準と照らせます。活動の実施者が申請します。別の場所で保全活動を支援している会社には、支援証明書を申請できる可能性があります。

開示に使うなら、認定された場所と証明書の対象を特定します。場所ごとの依存と影響は、別のデータで示します。

認定が言っていないこと

陸域30%の目標に対し、保護地域とOECMの合計は21.0%です。OECMが占めるのは0.2ポイントです。

区域と活動計画が基準を満たした認定書や、企業の支援を記録した証明書だけでは、生物多様性の改善までは分かりません。結果は別のモニタリングで確かめます。証明書だけを根拠に改善まで書けば、文書が担保していない主張になります。

報告書に引用する前に、認定や証明書の対象範囲を確認します。2028年から始まる保証でも、同じ確認が必要になります。


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